み立て舞台

組立舞台と小屋掛け~日本のおける組立舞台の歴史と工法

舞台の様子(提供:日本財団)

祝祭の仮設舞台は全国に数多く、季節の祭事に併せて組み立てられ、過ぎれば解体されて更地に戻ります。

起源を遡ってみても「昔からこうだった」と言われるだけで、組み立てもまたお祭りの一部として伝承されてきました。

一方、芝居や見世物の興業のために造られる小屋掛けは、人形浄瑠璃を例にとれば、仮設ではあっても、唐破風を擬した意匠であったり錺金具が散りばめられていたりして、賑やかな公演だったことが絵図に伝わっています。

にっぽん文楽の組立舞台とは、設計に当たっての考え

舞台当日の様子(提供:日本財団)

組立舞台による巡業の場合、劇場の環境をそのまま持ち運ぶ訳にはいきません。

人形芝居から文楽へと続いた歴史に学び、各地に残る人形芝居の農村舞台を巡れば、手摺や舟底、太夫座といった人形浄瑠璃に特有の装置が発展してきただけでなく、地域の山林で調達できる材が舞台間口を決めていたことも判ります。

組立式とは言っても、現代の耐震基準を満たすよう構造解析を行い、その材寸と様式から全体のプロポーションを設計しました。

宮大工の技~材木の切り出しから、細工、組立までのプロセス

  • 山(提供:吉野銘木製造(株))
  • 木材加工の様子(提供:(株)田野倉建築事務所)
  • 舞台当日の様子(提供:日本財団)
  • 舞台当日の様子(提供:日本財団)
  • 舞台当日の様子(提供:日本財団)
  • 舞台当日の様子(提供:日本財団)
サムネイル01 サムネイル02 サムネイル03 サムネイル04 サムネイル05 サムネイル06

宮大工とは、大きな材木の扱いに長け、神社仏閣に慣れた大工を指します。

柱と梁の接合部は釘を使わず、樹齢と同じだけ建物が長持ちするよう、材を活かした仕事をします。材木屋もそれに併せて、山から伐り出した木を十分に乾燥させ、反りや狂いの少ない材を供給します。

耐震壁は板を楔で絞め、柱梁と耐震壁とはダボ(木片)で固定するなど、手慣れた大工の技のみで作られています。

設計士・材木屋・宮大工が三位一体となった舞台です。

建築設計:田野倉建築事務所/構造設計:福山弘構造デザイン
組立施工:菜の実建築工房/幔幕・のぼり製作:宮本卯之助商店